スマホを落としただけなのに~ただの火曜サスペンス劇場~
最近寒くなってきて朝の布団が魔物と化しております。
どうも、やぎやまです。
冬場の毛布とか布団ってどうにも出られない魔物じゃないですか。
ここ最近気温が下がってきたので布団がだんだんと魔物化しつつあるんですよね・・。
私を布団から出さないという強い意志を感じる。
えー得意のAmazonPrimeで恐らくまだ新作扱いであろう
「スマホを落としただけなのに」が無料で出ていました。
ちょっと気になってはいたのでこれ幸いとさっそく鑑賞。
ネタバレなどふんだんに含んでおります。
【あらすじ】
いつものように彼氏に電話をかけた麻美は、スマホから聞こえるまったく聞き覚えのない男の声に言葉を失う。
声の主はたまたま落ちていた彼氏のスマホを拾った人物だった。
彼氏が落としたスマホが無事に戻ってきたことに一安心する麻美だったが、その日から麻美の日常は一変する。
まったく身に覚えのないクレジットカードの請求、それほど親しくない友だちからの執拗な連絡……それらは麻美のさまざまな個人情報が彼氏のスマホからの流出を疑う事象の数々だった。
一方その頃、ある山中で若い女性の遺体が次々と発見される事件が起こる。
すべての遺体には、いずれも長い黒髪が切り取られているという共通点があり―。
うーん・・・
思てたんと違う。
スマホ落として日常が徐々に崩壊していく、みたいなのを期待してたんだけど・・
「スマホを落とした話」と「巷で起こっている連続殺人の話」を平行して描いちゃうと、結果「スマホを落としただけなのに殺人事件に巻き込まれた」とかいう稀有な話になってしまうじゃないの。
これはスマホという身近なものを落とすことがどれだけリスキーなのか、ネットリテラシーの重要さを説く物語・・・と期待してたんだけど。
スマホを落としたのは主人公の麻美、ではなくその彼氏の富田。
この彼氏、結構抜けてるというか頼りない。
その上いい歳して彼女のことを「あさみん」とか呼んじゃう。
そもそも田中圭があまり好きではないので、その好きではない人の口から「あさみん」とかいうイタイ呼び方が出てきてドン引きするという(笑)
で、スマホを落とした というかタクシーの中に置き忘れたんですよね。
麻美がそれと知らずに電話を掛けると富田ではない男の声。
スマホを拾った、交番に届けましょうか?という相手の申し出に躊躇してカフェで受け取ることにする麻美。
え、なんで?交番が良くね?
後で何かあっても交番に行けばどんな人が届けたかとか、一応の情報はある訳だし。
さっそく危機管理意識の低さが窺えるシーンでした。
無事スマホは受け取りますが、もうすでにスマホは監視装置と化しています。
様々な情報を抜かれ、拾った人物のPCと富田のスマホが紐づけされてしまっている様子。
クレカの情報もすんなり抜き取られ50万近い請求がくることに。
大体フェイスブックで生年月日やら勤務先やらなんでもオープンにしてるのにロックNo.は生年月日とか、こいつバカなのでは・・・と思うじゃないですか。
そして富田のスマホには遠隔でロックをかけられ、データを消去されたくなければ金を払えという画面が出る。
富田は麻美に電話をかけて助けを求めます。
「あさみん、どうしよう!スマホが人質に取られた!」
全く意味不明です。
麻美の知り合いのセキュリティに詳しいエンジニア、浦野に会ってスマホのロックを解除してもらうことに。
うん。コイツ犯人だろ、絶対。
いやだって成田凌だよ?こんなチョイ役で使うわけない。絶対犯人。
たとえば、火曜サスペンス劇場で出てくる犯人って結構有名どころの俳優が多い。
なのに話の中ではチョイ役みたいな振りして出してくる。そんなわけないのに。
で、勝手にこれを「火サス現象」と名付けたんですけど。
この日本のドラマとか映画に多い火サス現象やめてもらえませんかね?
そりゃあ犯人は重要な役回りだから若手人気俳優を使いたいのは分かりますけど、それじゃあ観てる方はクソつまらないです。
で、ロック解除後 富田と麻美が喋っているのを見て妙なニヤニヤ笑いを浮かべる浦野。
もうコイツ絶対犯人。今絶対スマホに何か仕込んだだろ。
この辺からすっかりこの浦野を犯人思って見ていたので、その後ネットストーカーと化していく元同僚の小柳(バカリズム)も全く意味がなかった。
どうせ小柳もアカウント乗っ取られてんだろ・・・とか思いながら。
一方で連続殺人犯を追う刑事たち。
千葉雄大君が有能すぎてもはやファンタジーです。
登場シーンは思いっきりダメな奴っぽかったのになかなかやるな。
後半あたりでは千葉雄大君演じる加賀谷の過去を見せて コイツ犯人では?とミスリード誘いたい感が伝わってきましたが、無駄です。
犯人は浦野でしょ?もう分かっちゃったし。
しかし原田泰造さんはいい俳優ですよね。男前だし。
刑事の役とか似合うわ~。
その後もなんやかんやあって麻美のスマホにもこれが届きます☟
また浦野に会ってロックを解除してもらうことに。
ロック解除後、浦野が薬を仕込んだお酒をまんまと飲んで連れ去られる麻美。
それ見たことか。
やっぱり浦野が犯人だったじゃんかよ!!
だからあんなチョイ役の体で人気俳優を出すべきじゃないんだ!
実は犯人でしたーとか言われても
だと思ってましたって感じだからな。
でも成田凌ってサイコパス感あるよね。
しかし北川景子の演技はいつになったらうまくなるのか。
何年俳優やってるんですかねぇ・・?
最後、麻美の過去が明かされるわけですが、これが結構ハードで。
同じ境遇にあった稲葉麻美と山本美奈代、じつは麻美の本当の名前は山本美奈代だった。
株で借金を抱えた麻美は 美奈代に迷惑をかけたお詫びに人生をあげる、といって自殺する。
美奈代は麻美の顔に整形し、稲葉麻美として生きることにしたのだった。
「スマホ落としただけ」じゃないじゃん。
というか借金まみれの人生もらって詫びも何もないのでは。
結果、思てたんと違う。
期待したストーリーとは全く違う、スマホを落としたことをきっかけになぜか殺人事件に巻き込まれ、ファンタジックに有能な刑事と彼女のスマホにGPSを仕込むヤンデレ体質の彼氏に助けられ、過去を乗り越えて幸せになるというどうでもいい話でした。
映画にするほどの話じゃない。
出来れば「スマホを落としたこと」にフォーカスした、恐らく大半の人が期待していたであろうストーリーで作り直してほしいです。
大体、落としたスマホを拾ったのがたまたまシリアルキラーだったって時点でリアリティから著しく道を外れているんですよ。
「スマホ」という身近なコンテンツを皮切りに自分の日常が足元から崩壊していく、というストーリーで良かったんですよ。
殺人犯なんか登場しなくていい。ただリアルな怖さを追求してほしかったです。
誰の身にも起こりうることだと思わせるだけで、この映画はかなり怖かったはず。
なのにこれじゃあただの火サスですよ。
コメディとして観れば多少いけるかもしれません。
ではまたお会いしましょう、やぎやまでした。