ゆれる人魚~王子様が普通にクズ~
明日から4連休です!ヒャッフーゥ!
どうも!やぎやまです!
一昨日観た映画の感想でも書いていきたいと思います。
童話 人魚姫をアレンジしたポーランド映画です。
【ストーリー】
1980年代、共産主義下のポーランド。
海から陸へ上がった美しい人魚の姉妹シルバーとゴールデン。
2人はバンドに連れられてワルシャワのナイトクラブで働き始める。
妖艶で野生的な魅力を放つ2人の少女は一夜にしてスターとなった。
ある時、姉のシルバーはバンドの1人、ミーテクに恋をする。
妹のゴールデンは姉を心配するがー。
うーん、だめだ。
やぎやまには面白さが分からなかった。
ミュージカル映画だったんですが、どうもシーンにそぐわない歌が多くて無駄な時間でしかなかったんですよね・・
ディズニー映画ってそのシーンに合った、状況にマッチした歌が入るじゃないですか。
あとムーランルージュもそうだったな。
でもこの映画の歌はよく分からない。唐突に入ってくる印象しか無かったので「何を見せられているんだろう・・」と映画の途中で我に返ってしまいます。
そもそもこのお話の世界では人魚は珍しいものではあれど、普通に受け入れられる存在のようだ。
人魚!?捕獲して研究!解剖!とかではなく、
人魚!?捕獲して見世物にするぞ!とかでもなく、
人魚だ!すごーい!かわいい~!という感じです。
たしかに研究材料やらにされてしまうとこの映画が進まないのでいいんですけど、だったらもっとファンタジー色を強めにしてくれないと中途半端なんですよね。
あとホラー映画として撮るならば、序盤に人魚の捕食シーンくらいは入れてもいいかと思います。
歌で海に誘って食い殺すような、人魚は本当は恐ろしい生き物である、という印象をつけた方が「捕食対象である人間」と「捕食対象に抱く恋心」とのコントラストが良い具合に生きてくると思うんですよね。
左が妹ゴールデン、右が姉シルバー。
っていうかそんなに美少女じゃないゲフンゲフン
で、この右のシルバーがちゃらんぽらんな遊び人ミーテクにまんまと引っ掛かってしまうのです。
シルバーに散々気を持たせるようなことをして「僕は君に夢中だ」とか何とか言っておいて、結局「僕にとって君は魚なんだ」とか訳のわからないことを言います。
何なの?何がしたいの?
魚をマジで愛するとかねーわ。でも見た目は可愛いし好かれること自体は嫌じゃないけどね。手も繋ぐしキスだってしてあげるし全然。
ってこと?普通にクズじゃん?
そしてそんなクズ相手にも健気に じゃあ人間になる!と決意するシルバー。
ミーテクに愛されることを信じて それは流石に無理だろ、っていう方法で人間になろうとします。
それは下半身を切断して人間のものと挿げ替える手術でした。
このリアリティがあるのかないのかよく分からない方法ではなく、いっそのこと原作のように薬とかファンタジックな方が良かったと思います。
だって手術じゃ繋がらないですもん絶対。
魔法の薬とか出さずにあくまで現代風にリアルに行きたかったのかもしれないですけど、じゃあ手術で切断➡縫合!は短絡的だし中途半端感が否めない。
そして無事に手術も終わり(え?繋がったの?)歩行訓練をするシルバーのもとにミーテクが花束を持って現れる。
これでやっとミーテクとひとつになれる!と言わんばかりに服を脱ぎ始めるシルバー。
ミーテクもウハウハと乗っかります。
いいのか?こんなちゃらんぽらんな男で。魚呼ばわりしたくせに結局やるのか。
事後、シルバーの縫合部からの出血でミーテクの腹部もべっとり・・それを見て心底不快そうにするミーテク。そしてシルバーを残して出ていきます。やはりクズ。
ミーテクはその後あっさりシルバーを捨て別の女と結婚します。
その結婚式でゴールデンは言います。
「朝までにあの男を食べれば泡にならずに済む」と。
シルバーは悩みに悩んでミーテクの元へ。
ダンスをする振りをして体を寄せ、食べようとしますが結局思いとどまりその身体は泡となって消えてしまいます。
と、ここでまたいらんリアリティを発揮します。
泡が本当に泡。洗剤みたいな。
シャボン玉とかみたいな綺麗な泡じゃなくて、本当の泡。
それがミーテクの身体にべったりついてる。
いや、そこはさぁ・・綺麗に撮ろうよ・・
泡になった姉をみて逆上した妹、ゴールデンはミーテクの喉を食いちぎって逃走。
誰も幸せになれませんでしたとさ、おしまい。
全体的にファンタジーかリアリティかどっちつかずな印象でした。
ゴールデンはまぁそこそこ残虐な面があるという雰囲気は醸し出せていたのですが、シルバーに至っては全くそれが感じられなかったのでそこもモヤモヤ。
初めの方でも書きましたが、やはり「人間を捕食する人魚が捕食対象に恋をしてしまった」というのが見えた方が悲恋が際立つと思うんですよね。
前から気になっていただけにちょっとガッカリな映画でした。
ではまたお会いしましょう。やぎやまでした。